XENOGENDER
豊かな分断[フォッサマグナ]
八ヶ岳・南アルプス・金峰山に囲まれ、フォッサマグナによる日本列島の大きな分断に位置する北杜市は、その地形と気候によって大きな環世界を確立し、多様な自然と文化を育んできました。
いっぽうで昨今の多様性への着目は、国家や思想、ジェンダーなどの細分化と分断を招き、孤独や閉塞感を生んでいます。
分断を肯定的に受け入れ、豊かな環世界を構築することができないでしょうか。“分断”を抱えながらも豊かな生態系を築いている八ヶ岳から、多様と連帯を両立するヒントを得ることができないでしょうか。
「八ヶ岳アート・エコロジー 2023」では、地域の自然環境と融和する作品や表現を通して、来場者の思考や属性を解放することを目指します。八ヶ岳の分断[フォッサマグナ]が生んだ、豊かなゼノジェンダー(男女に限らず非生物や動植物などとの関係性を性別に取り込む思想)を感じてください。
山梨国際芸術祭
八ヶ岳アート・エコロジー2023
会期
2023年11月5日(日)〜12月20日(水)
場所
清春芸術村、中村キース・ヘリング美術館、GASBON METABOLISM、身曾岐神社
主催
山梨国際芸術祭実行委員会
公益財団法人 清春芸術村、中村キース・へリング美術館、GASBON METABOLISM
総合ディレクター
吉井仁実 | 清春芸術村
アーティスティックディレクター
田尾圭一郎 | 田尾企画 編集室
西野愼二郎 | GASBON METABOLISM
守谷拓 | 中村キース・ヘリング美術館
特別協賛
THE NORTH FACE
会期中は各会場毎に入場料・入館料をお支払い下さい。
イベント開催時には別途チケットが必要となります。
清春芸術村
一般 2,000円|大・高校生 1,000円|小・中学生 無料
障がい者手帳をお持ちの一般の方 1,000円|障がい者手帳をお持ちの学生の方
入場無料|付き添いの方 500円
中村キース・ヘリング美術館
一般 1,500円|学生[16歳以上] 800円|15歳以下 無料|障がい者手帳をお持ちの方 600円
GASBON METABOLISM
無料
身曾岐神社
無料
清春芸術村
清春芸術村
中村キース・ヘリング美術館清春芸術村
中村キース・ヘリング美術館清春芸術村
清春芸術村
GASBON METABOLISM
清春芸術村
GASBON METABOLISM
清春芸術村
清春芸術村GASBON METABOLISM
清春芸術村
中村キース・ヘリング美術館
清春芸術村
GASBON METABOLISM
清春芸術村
清春芸術村
清春芸術村
清春芸術村
清春芸術村
中村キース・ヘリング美術館
参加アーティストであるYOSHIROTTENがDJとして参加カジュアルな楽しめるDJの夕べの開催決定
2023年 11月11日 (土)
START 19:00
kRs @k20705
YOSHIROTTEN @yoshirotten
Geju @geju___
1,000円(エントランス)
山梨県北杜市明野町浅尾新田12 Map
GASBON METABOLISM 併設
@gasbon_gasbook
MANGOSTEEN HOKUTO/万珍醸造&万珍酒店&万珍包
@mangosteen_hokuto
flyer design: @lee6a
2023年 12月9日 (土)
■ ¥1,500(料金当日払い・現金のみ)
※イベント参加料金と、別途清春芸術村入村料をお支払いください
■購入方法
清春芸術村内の受付にて先着販売
主催者、会場、アーティストは、会場内での事故・紛失・盗難・ケガ・病気等の責任を一切負いません。
ステージ演奏中の録音/撮影は禁止いたします。
会場内において、スタッフの指示に従わない方や、他の来場者への迷惑行為が認められた場合には直ちにご退場いただきます。その場合のチケットの払い戻しは一切行いません。
清春芸術村 HP: http://www.kiyoharu-art.com
清春芸術村 Instagram: https://www.instagram.com/kiyoharu.art.colony/
山梨国際芸術祭 Instagram:https://www.instagram.com/yatsugatake.art.ecology/
※情報は、随時更新
2023年 12月16日 (土)
■ ¥1,500(料金当日払い・現金のみ)
※イベント参加料金と、別途清春芸術村入村料をお支払いください
■購入方法
清春芸術村内の受付にて先着販売
主催者、会場、アーティストは、会場内での事故・紛失・盗難・ケガ・病気等の責任を一切負いません。
ステージ演奏中の録音/撮影は禁止いたします。
会場内において、スタッフの指示に従わない方や、他の来場者への迷惑行為が認められた場合には直ちにご退場いただきます。その場合のチケットの払い戻しは一切行いません。
清春芸術村 HP:http://www.kiyoharu-art.com
清春芸術村 Instagram:https://www.instagram.com/kiyoharu.art.colony/
山梨国際芸術祭 Instagram:https://www.instagram.com/yatsugatake.art.ecology/
※情報は、随時更新
清春芸術村
開館時間 10:00〜17:00(最終入館16:30)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日)
山梨県北杜市長坂町中丸2072
https://maps.app.goo.gl/KuYjcZBnyceU9Bm5A
車でお越しの方
中央高速長坂インターチェンジより15分(東京より車で約2時間)
電車でお越しの方
JR中央本線新宿駅より2時間。
長坂駅下車タクシー5分/バス10分/徒歩30分
JR中央本線名古屋駅より3時間40分。
小淵沢駅下車タクシー10分/バス30分
バスをご利用の方
北杜市民バス3号車西線 日野春駅行き「中丸公民館南」下車 徒歩約3分
- JR長坂駅発→中丸公民館南下車
発車時刻 ①10:05/②11:10/③15:02
- 中丸公民館南発→JR長坂駅行
発車時刻 ①13:21/②14:46/③16:56(土日祝運休)
All Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection.
中村キース・へリング美術館
開館時間 9:00〜17:00(最終入館16:30)
休館日 なし
山梨県北杜市小淵沢町10249-7
https://maps.app.goo.gl/rdL2RhwCryh2dJKW9
車でお越しの方
中央自動車道「高井戸」I.C.から「小淵沢」I.C.へ約2時間
中央自動車道「小牧」I.C.から「小淵沢」I.C.へ約2時間半
「小淵沢」 I.C.から約6分
電車でお越しの方
JR新宿駅より 中央線特急で約2時間
JR名古屋駅より 中央線特急で約3時間(JR塩尻駅乗換)
JR小淵沢駅下車、駅から当館までタクシーで約8分
バスをご利用の方
バスタ新宿より高速バス(新宿~茅野・諏訪・岡谷線)で約2時間半
大阪、京都方面からはクリスタルライナーをご利用ください
中央道小淵沢バス停下車、バス停から当館までタクシーで約5分、徒歩約30分
PHOTO: TATSUMI OKAGUCHI
GASBON METABOLISM
開館時間 11:00〜17:00
休館日 火・水・木曜日
山梨県北杜市明野町浅尾新田12
https://maps.app.goo.gl/MvAWpHF6h4r8bJuB8
車でお越しの方
中央自動車道 須玉インターより車で6分(新宿より2時間)
電車でお越しの方
・JR 中央本線「穴山駅」「日野春駅」より車で12分
・JR 韮崎駅(特急停車駅)より車で15分
バスをご利用の方
高速バス 中央道須玉バス停より車で6分
古神道本宮 身曾岐神社※作品展示はなし
八ヶ岳南麓の自然豊かな清緑の地に鎮座する天照大神を祀る神社。いのちのよみがえり―みそぎを伝えています。
山梨県北杜市小淵沢町上笹尾3401
https://maps.app.goo.gl/4gT9A84v6YGNSxwLA
車でお越しの方
中央自動車道 小淵沢ICより車で約5分
電車でお越しの方
中央本線 小淵沢駅よりタクシーで約5分
「巨人と玩具」イメージ画像 2023©︎Taro Izumi
「巨人と玩具」
・逆頬杖/逆さ鳥居、ホル達のオストラコン、グレーを撒く人
桜の木が清春芸術村を囲むように植えられている。長い年月の中で垂れ下がった枝のいくつかは普段から木製の道具で支えられている。それらが設置された頃に比べて変化したであろう木に合わせて、作家が新たな支え、「逆頬杖/逆さ鳥居」を作る。新しい支えは通常の支えが逆立ちしたような形状で、支えられた枝も天地逆さまに伸びていくかもしれない。これらが壊れた場合は修復して使える限り使いたい。役割を終えた際には耐久性を重視した素材でこの道具を讃えるための記念碑を建てる予定。いつか道具の役割も忘れられて記念碑だけが残る。その他、芸術村のスタッフが連日関わる夢や破片に関わる作品「ホル達のオストラコン」、広大な庭を前に小さな有機物で介入する「グレーを撒く人」など、全体で「巨人と玩具」と名付けたいくつかの作品を構想している。重力、変化、役割、保存、観覧、秘匿、歴史、生活など、元からそこにあるもの、いる人、力学を組み直し、実験的に考えることを促す試み。
泉太郎
未知のもの、理解し難いものと人の在り方を交換し続けるようなシステムを構想。文明を再解釈して導き出した儀式的とも言える実験により、慣習や禁忌を批評する。近年の主な個展に《Sit,Down. Sit Down Please, Sphinx》2023年、東京オペラシティアートギャラリー、《ex》2020年、ティンゲリー美術館、《Pan》2017年、パレ・ド・トーキョーなど。
石川直樹
1977年東京都渋谷区生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表し続けている。2008年『NEW
DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)により日本写真協会賞新人賞、講談社出版文化賞。2011年『CORONA』(青土社)により土門拳賞。2020年『EVEREST』(CCCメディアハウス)、『まれびと』(小学館)により日本写真協会賞作家賞を受賞した。著書に、開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)、『地上に星座をつくる』(新潮社)ほか。
http://www.straightree.com/index.html
ウニ状の記憶 909(中庭)
人体を感じさせる正二十面体の構造物から成るインスタレーション作品です。
人間をはじめとした地球上のよく動く生き物の多くは線対称に近い形をしており、右と左があります。私た
ち人間が生きていく上でそれはとても当たり前のことで、日々の行動、思考すらもこの形状に無意識的に強
い影響を受けていることでしょう。私たちの感覚や記憶はこの身体に中心線があり、左右に広がり、前面に
進んでいくという形状を大前提にして成り立っています。日常においては左右があることは至極当然のこと
のように感じられますが自然界においてこの形状が当然なのかというと当然ではなく、地球の重力の影響下
で動きながら生存や繁殖を行なっていくうえではこのような形状のものが生き残りやすかったというだけで
あり、あまり動かない生き物、海中の生き物、地球外の生き物などはその限りではありません。例えば、多
くのウニは海底を移動しますが五角形で中枢がなく、左右がありません(近年ウニにも人間でいうところの正面があるという研究もされています)。そのような形状であるウニは長らくランダムに移動していると考え
られていましたが、近年の研究ではウニは外部からの刺激を受け取り移動方向の記憶を持っていると言われ
ています(*1)。より良い場所に移動するため、あるいは元いた場所に戻るため、ウニはウニの方法で情報を
収集し記憶し行動しているのです。文字で理解することはできてもその感覚を人間が実感することは難しい
でしょう。ウニの方向感覚や移動記憶をわざわざ人間が実感する必要もないと一般的には思われるでしょ
う。しかし私はこの作品を通してそのような当然から離れた感覚が観る人の身体に入り込み、身体感覚、思
考、記憶のトランスフォーメーションが促されることを祈っています。私たち人間も、より良い場所を求め
て、自分の適性にあった環境を求めて、故郷と思える場所に戻ろうとして、何かを守ろうとして、移動して
きた歴史があります。その歴史の中で、個人単位でも社会単位でも、その移動に関する思考が人間の身体に
制限されないように、例えばウニ状の移動方向の記憶などを手に入れる余地を持つことが大事だと考えてい ます。
*1. ’Memory of direction of locomotion in sea urchins: effects of nerves on direction and activity of tube feet’ Kazuya Yoshimura,
Hajimu Tsurimaki, Tatsuo Motokawa.
星の引力 421(森の中)
2023年に開催した個展 “カ(ka)”(Eukaryote, Tokyo, 2023)で、一人の人間、あるいは複数の人間の集団の なかにある様々な力の関係性を物理的な力(重力、張力、引力、etc.)に置き換えてみるというテーマの作品 を発表しました。竹で組み上げた構造物にモーターをつけ、チェーンやワイヤーなどで吊るされた人型の彫 刻が動いたり動かされている状態を作ったインスタレーション“カカカ”(2023)はそのコンセプトをダイレク トに表していたと思います。そのようなダイレクトな作品とは別に、“星の引力”(2023)という展覧会全体の コンセプトからは少し離れているようにみえる絵画作品も展示しました。L.A.あたりの温暖な大きな都市で フェンス越しに星空が見える様子が描かれている風景画です。その絵は星の引力に関する絵なのですが、物 理的な引力というよりはその遠くにある星へ様々な思いを巡らせる心情を、その星からの引力に準えたもの です。そしてその星の引力は強いけれども、同時に地球の引力も強いのだ(だからその星のところまで吸い上 げられていくことはできない)ということも感じさせる絵だと考えています。 前置きが長くなりましたが、中村キース・ヘリング美術館の外の森で展示をするという話になって下見のた めに散歩をしていた時に、その森の風景の中にその都市の絵を置きたいと思いました。アルベルティが絵画 を開いた窓であると唱えたように、絵画は壁の奥に無いはずの景色を写す窓を作ることができます。壁もな い自然の森の中に無いはずのシティスケープを写すことは、私にとって地球の引力を少しだけ相殺するよう な意味があるのかもしれません。
星を見ながら化石になった人 786
化石の発掘現場を模したインスタレーション作品です。 発掘中の穴を覗き込んでみると、化石と思しきそれは、変顔をした人間の顔です。
*** 『この化石になった人間の様子を見てください。顔に手を当てています。指で目を潰すように引っ張りさ
げ、唇を大きくめくりあげた不思議な表情をしています。奇妙に見えますが当時はよく見られた習慣です。
諸説ありますが当時の人々が目潰し行為をする時は星や炎などの光をまぶたの中で乱反射させてその美を楽
しむ時です。唇めくり上げ行為は普段意識が向けられることのない「空気」に意識を向けたい時に行われる
行為です。空気中の湿度、温度、風向きなどに鈍感になっている肌の代わりに粘膜を露出させることでそれ
らを敏感に感受することができるのです。またこの表情をすると悪魔に狙われなくなるとも信じられていま
した。恐らくこの化石は山火事や隕石などの有事でありつつも死ぬまで破滅の美を楽しんだ人間の個体です。』
*** 『当時の人々は星空を観るのが好きでした。星空を観る時には頻繁にムィプをしていたことが知られていま
す。現代においては日々の生活から遠く離れた大空に散りばめられた星の光に憧憬を懐き、その美しさをた
だ享受するばかりですが、当時の人々はその星の光をまぶたの中にとりこみ指で押したり引っ張ったりする
ことで光の筋をつくったり歪ませたりして能動的に美を楽しんでいました。メグリナリをしていることか
ら、星空を見ながらの深い瞑想状態であることがわかります。極寒の夜空の下、絶えゆく意識の中で最後の 瞑想を楽しんでいたのでしょう。』 ***
『ここにいる誰しもがそうであるように彼もこの広い芝生で寝転がりたかっただけなんですよ。しかし彼の
場合、その思いは特に強かった。すごく疲れ果てた末に辿り着いた場所でしたから。私にはわかりますが、空に向かって変顔をする時は宇宙人に見つけて欲しい時です。こんな世界で笑顔で前向いて歩くのが無理な
時ってあるじゃないですか、真顔を保つことすら難しいみたいな。けど、変顔はできちゃうみたいな。こん
な気持ちいい芝生で大空の下、彼は寝っ転がっちゃって、空に向かって変顔しちゃったんでしょうね。宇宙人に見つけて欲しかったんだよ。本当に見つかると死んじゃうんだよ。より正確には違う次元に本体が行っちゃうんだよ。』
***
磯村暖
現在東京を拠点に活動している美術家。絵画、彫刻、映像やインスタレーションなど表現は多岐に渡る。現在の関心事は口を中心に発展してきた情報社会からの逸脱と再構築。2019から2020年にACCの助成によるNew York滞在。「Asian Art Biennial 2021」(2021/国立台湾美術館)への出展、TEDxUTokyo(2023/東京大学安田講堂)への登壇など様々な領域で活動を展開している。
さようなら!でも大丈夫!
tạm biệt mãi mãi! Nhưng nó ổn mà!
よくわかりませんが作ります。作品制作の機会を頂きありがとうございます。なるべく周りの迷惑にならないようにします。
綿の花
皆様が幸せでありますように。さようなら
磯崎隼士
作品制作や鑑賞を通して人と人、生命と生命、自分と自分が一瞬だけでも平和であることを期待します。
ヌルの共鳴:計算機自然における空性の相互接続
この展示は、デジタル自然の中での空虚性を精緻に捉え、縄文時代と現代の計算機科学の接点で展開します。新作の“有機的な変形ミラー”と LED
による“ヌルのインスタレーション”が相互に影響を与える合わせ鏡となることで、物質と非物質、デジタルと有機的、現実と非現実の狭間で新しい共鳴が生まれます。
縄文時代の人々が探求した自然との調和と一体化の理念は、現代の計算機自然において再発見されます。
空即是色色即是空の哲学が、この独特なメディアの交錯によってデジタルの“ヌル”として具現化されるのです。“有機的な変形ミラー”は、物質世界の柔軟性と流動性を反映し、縄文時代の遺伝子への探求と計算機自然との対話を促します。一方、LED
による“ヌルのインスタレーション”は、デジタル自然の厳密な論理性と無常性を表現します。
このような対話と共鳴は、人類が進歩しない、あるいは絶滅するという失望を超越し、計算機自然の新しい喜び、悲しみ、そして涅槃を日常に実現する可能性を内包します。それは新しい自然の実装であり、遊牧民のように定住しながらも共有可能なコモンズを生成します。これは、人類が絶滅する前に、新人類としての思考の進化への新たな道筋となるでしょう。
また“有機的な変形ミラー”は、2025 年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で落合がテーマ事業プロデュ
ーサーを手がけるシグネチャーパビリオン「null²」の動く外装の実装実験を兼ねています。常に新奇性の
ある作品づくりに挑戦し続ける落合の最新の試みです。
技術協力:株式会社乃村工藝社
機材提供・技術協力:株式会社セイビ堂
©Expo
2025
photo: 蜷川実花
落合陽一
メディアアーティスト。1987年生まれ、2010年ごろより作家活動を始める。境界領域における物化や変換、質量への憧憬をモチーフに作品を展開。筑波大学准教授、デジタルハリウッド大学特任教授。2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)テーマ事業プロデューサー。
斜景/Slant landscape
作者が北杜やフォッサマグナ周辺の山々を逍遥し捉えたイメージを基軸としたインスタレーション。遠景としてみえる山々と里の風景に、山の懐に飛び込んで捉えた景色を重ねることで、風景に立体感と質感を与えていく。また、定点観測の視点で切り取ったカメラ・オブスキュラと、山をめぐる身体が捉えた視点を混交させ、山や地形をまなざす視座や時空間の振れ幅を提示する。北杜を逍遥する中で目に入る景色、何気なく窓に映る風景や地形、そして私たちが立つ均された地面に元より潜むダイナミズムと、その本来の傾斜を、改めて露頭させていく。
加々見太地
自身の身体で感じた世界や自然を通して、彫刻、写真、映像などを制作する。人と自然との積極的な関わりに関心を持ち、強烈な自然体験で得られた身体感覚や、世界の認識をテーマにしている。
rode work (metabolism)
夜間工事用の照明機材を使った立体作品。暗くなると作品のパーツである工事現場のライトが点滅する。これらのライトは福島県から発信される時計の標準電波によって、東日本一帯で点滅がシンクロするように設計されている。またこの照明は東日本大震災以降に全国的に普及し、震災復興の現場、またオリンピックをきっかけにした都市開発の現場で多く利用されている。ライトが廃盤になったり、壊れたら交換し、新しいライトに差し替えて照明をともし続けることができる本作は、変化し続ける「小さな都市」としての意味を持っている。
photo by Shin Hamada
SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD
公共空間を舞台にしたプロジェクトを展開。路上でのアクション、立体作品、壁画プロジェクトなど様々なメディアを用いた作品やプロジェクトを発表。作品を街中に点在させ、建築や壁画、グラフィティを鑑賞しながら街を巡る「MIDNIGHT WALK tour」など、多彩な活動を行う。
SCAN THE WORLD [BONUS STAGE : GASBON]
屋外でさまざまなものをスキャンをするプロジェクトであるSCAN THE WORLD(STW)。それを主導する2名のアーティストとともに、ハンディスキャナーを持ってGASBON_METABOLISM周辺を散策し、集めたイメージをSTWのアップロードサイトscan-the-world.netにアップロードします。路上表現の一つであり、新たな遊びの実践でもあるSTWの世界に、アーティストとともに足を踏み入れてみませんか?
SCAN THE WORLD
2018年より活動を開始したSCAN THE WORLD (STW) は、アーティストの石毛健太とBIENが主導するハンディスキャナで新しい遊びを考えるプロジェクトの総称。
『VENUS ANAL TRAP』2012年 single channel video with sound, 2min.40sec.
『Afternoon of a Faun』2015-16年 single channel video with sound, 5min.27sec.
『Dream Catcher』2018年 single channel video with sound, 5min.32sec.
『The Butterfly Dream』2022年 single channel video with sound, 4min.36sec.
白樺美術館は、弧を描くように段差を上がりながら展示を見ていく構造になっており、展示室の中心に立つと高みから各作品を一望することができる。高田冬彦の展示では、それぞれ性や自他、動植物をテーマにした作品をその四方に展示した。ハエトリソウがベートーヴェン「田園」を指揮しながら虫を誘う《VENUS
ANAL TRAP》、ラプンツェルの長い髪が大地を混沌にしていく《Dream
Catcher》、自己愛に溺れる牧神を外の世界へとニンフたちが引きずり出す《Afternoon of a
Faun》、眠りにつく青年の着衣を蝶が軽やかに切り裂いていく《The Butterfly Dream》の四作品だ。
鑑賞者は、多様な存在が描くそれぞれの作品世界に、そしてそれらが混在しひとつのカオスとなった展示室に迷い込むことで、芸術祭コンセプト”ゼノジェンダー”の環世界に内包されていくこととなる。(キュレーション・田尾圭一郎)
photo by cyndixxx
高田冬彦
1987年生まれ。美術家/映像作家。神話、性、ジェンダー、ナルシシズム、トラウマといった人間の普遍的なテーマを、現代の風俗や社会問題と重ね合わせながら、ユーモラスな誇張を交えて表現する。主な個展に「Cut Pieces」(WAITINGROOM/2023)、「MAMScreen011: 高田冬彦」(森美術館 /2019)など。
NullPointerException-KAKASHI
土着信仰や山岳信仰など、八ヶ岳の麓にも多数のコンテクストがある。
それらを俯瞰し視覚的無意識に残る”カミ”の像を抽象する。
清春芸術村に向かう途中、遠くの丘にラ・リューシュが見えてきた。
8月の猛暑、畑に立ちつくす案山子をクーラーの効いた車内から窓を開けることもなく眺めていた。
久延毘古者、於今者山田之曾富騰者也、此神者、足雖不行、盡知天下之事神也。
久延毘古(くえびこ)というのは、今でいう山や田の案山子を神格化したもの。すなわち田の神、農業の神、土地の神である。神の依代とされ、これが山の神の信仰と結びつき、歩くことはできないが、田の中に立って一日中世の中を見ていることから、天下のことを知り尽くしている神である。(古事記)
現代を抽象するアスファルトの彫像は一体何を見るのだろうか?
宮原嵩広
彫刻家
特殊メイクの技法を習得後、もの派やミニマルアートを学び彫刻の展開を試みています。
アスファルトや自然石を用いた徴候的な作品で、物事の実在を問いかけ、物質の純粋性をテーマに作品を発表しています。
webサイト
https://www.miyaharatakahiro.com/
インスタグラム
https://www.instagram.com/takahiro_miyahara_art_works/
いくつもの温度 - HUGG -
私たちはCOVID-19を経験する中で直接触れ合うことの大切さを実感した。日常が戻るにつれてそれは当たり前の出来事となり、あれほど切望した触れ合いの喜びを容易く忘れている。「触れ合うこと」は私たちにとって忘れてはならない行動であり、無くてはならない感覚である。触覚なしにあなたの輪郭を認識することはできず、頭で理解しても身体は物足りなく、寂しくて切ない。
私は北杜市へ初めて訪れた際にとある養鶏場を訪れた。朝起きてすぐに鶏たちが産み落とした卵を採卵した。手に取るとやさしい温かさが皮膚に伝わり命を感じる。産み落とされたばかりの卵は見た目も温かさも異なり、ひとつひとつの命があることを証明している。
本作品「いくつもの温度」では「HUGG(ハッグ)」という装置を制作した。HUGGを抱きしめ、自分の体温との「あいだ」にある温度を感じてほしい。他者に見立てられたHUGGとのあいだにある温度は他者の存在を認識させ、やがて自他との対話を生むだろう。そしてそのあいだに感覚を研ぎ澄ましたとき、温度から生まれる当たり前の喜びを再認識し、やさしさが生まれるのではないだろうか。
村田美沙
アーティスト、植物表現者
国内の薬草文化についてフィールドワークに取り組み、植物療法を軸にプロダクト開発や執筆活動を行いながら「人と植物の関係性」をテーマに表現活動を行い、自然環境と心身の対話から得られる感覚をひとつの流れと捉え制作を行う。
性木
私、山田は山梨県北杜市小淵沢に住み5年が経とうとしている。徐々に自然の中で生きる恐怖が解放され自然と共に生き、一体化する感覚になってきた。いつの日か完全な一体化を経て、この自然に優しい新しい生き物が誕生することを願い、こっそりと展示させて頂いてます。
山田リサ子
1991年浅草生まれ。
自分の体や女性器に対する想いやコンプレックス、性欲やSEXへの大好きで大嫌いと言う矛盾な葛藤を常に感じ続け、主に油彩やパフォーマンスで表現する。
Strata of Time - 時間の地層 -
地面に堆積しているものが地質学的なデータだけでなく、人間や他の生き物たちの記憶を含むと仮定すると、そこから多くの重要なストーリーや社会的な価値が見出され、地質学的な記録とともにそこに堆積している記憶の統合に新しい視点を生み出すことができます。
この北杜市という縄文時代の記憶が深く眠る場所の地面を、ルオー礼拝堂に積層することで、過去と現在、文化と自然、教育と宗教、歴史と未来のつながりを強調し、現在の自分たちと過去とのつながりを深く共有することができます。
そして、そのことにより現代社会の抱える問題を新たな視点をもって再び問いかけることができるのです。
吉野祥太郎
アーティスト・吉野祥太郎(よしの・しょうたろう、1979
年生まれ)の主題は「土地の記憶」です。吉野は国内外において、土地と人との関わりをたどりつつ、その土地を成立させている記憶との対話を通して、大規模なインスタレーション作品や立体作品などの制作をおこなっています。また彼は、土それ自体に記憶が堆積していることを強く意識し、土を表現素材としてもちいるほか、記憶の層としての土を地面ごと持ち上げ「立てる」というインスタレーションも世界各地で実践しています。
吉野はこれまで、来訪者として各地に赴き、新たな視座からその土地の記憶を見いだし、大切に持ち上げることによって、作品へと具現化してきました。
SUN
2020 年初頭に制作を開始した365 点のデジタル・イメージに端を発する「SUN」は、多岐にわたるメディアとアイデアで構成されるアート・プロジェクトです。コロナ禍に突き付けられた行動の制限を創造性に転換するかのように、YOSHIROTTEN は365 点の銀色の太陽を1 年間に渡り描き続けました。自動生成ではなく、デジタル・ツールを用いた手作業で着彩されており、周囲の色彩を反射する「SUN」は全てが異なる独特な印象を持っています。タイトルには、1 月 1 日から 12 月 31 日までの日付が冠されています。
YOSHIROTTEN
ファインアートと商業美術、デジタルと身体性、都市のユースカルチャーと自然世界など、複数の領域を往来するアーティスト。代表を務めるクリエイティブ・スタジオ「YAR」では、広告・ロゴタイプ・内装/外装デザイン、映像など商業に於いて視覚芸術が関わるほぼ全ての範囲で膨大な量の仕事を手掛ける。yoshirotten.com
us
“
私たちの体は生きた微生物の集合体。
細胞数の4割はバクテリアのものらしい。
だとしたら、自分という個はどこにあるのか。
微生物もウイルスも鉱物も、人間ならざるものは人間でもある。
私たちは無から偶然生まれた存在。
またいつか、絶対的な無にかえっていく存在。
細胞も山脈も惑星も、そして銀河ですら、みな同じ運命。
すべては大循環の流れのなかにある。
”
本作は2台の大型ディスプレイ、スピーカー、PCから構成される4K 2chのヴィジュアル・オーディオ・インスタレーションです。
映像は脇田自身のプログラミングによって作られており、今回はサウンド制作にも初めて挑戦しています。
生物多様性、気候変動、パンデミックといった文脈を背景に、視聴覚による詩的体験を目指しました。
Photo by Takahiro Tsushima
脇田玲
目の前にありながらも知覚できない力を可視化/可聴化/物質化することで、世界の見方を更新する作品をつくっている。慶應義塾大学環境情報学部教授。博士(政策・メディア)。
Reference of Farmed Nature
今回の芸術祭のために計画された”Farmed Nature”は芸術祭終了後も引き続き進行予定である。 清春芸術村の裏山にある、ある土地を土壌ごと建築物で囲い、植物工場さながらにその土地ごと半永久的にファーミングするプロジェクトだ。 建築は内部の土壌を残すための新しい工法を模索し、既成のコンクリート製電柱を束ねた列柱の塔を提案している。着工は来年予定。
渡辺志桜里
1984年⽣まれ。全体性を主軸に、個々が集合した現象と、その個に携わる⾝体の境界といったものに焦点を当てて制作。主な展覧会にMEET YOUR ART FESTIVAL 2023「Time to Change」(2023)、「とうとうたらりたらりらたらりあがりららりとう」(新宿歌舞伎町能舞台、2022・企画/キュレーション)
永山祐子
1975年東京生まれ。1998年昭和女子大学生活美学科卒業。1998年青木淳建築計画事務所。2002年永山祐子建築設計。主な仕事、「LOUIS VUITTON 京都大丸店」「ドバイ国際博覧会日本館」「JINS PARK」「東急歌舞伎町タワー」など。
Cho co pa co cho co quin quin
小学4年生で結成するも、全員がギターだったため小学5年生で解散。 その後1人が中南米音楽に傾倒し、キューバのハバナ大学に留学。現地でコンガを学び、リズムパターン「cho co pa co cho co quin quin」を習得。 2年前に再結成し、パーカッションを軸にした電子音楽にフェイクのシャーマニズムを足した音楽を模索中。 InstagramではAbletonギャングと呼ばれている。
Shownore
ヴォーカリスト根津まなみとキーボーディスト/プロデューサー井上惇志の2人によるユニット。バンド時代を経て2017年9月より現体制で再始動し、直後にリリースした楽曲 「circus」がノンプロモーションにも関わらず一躍話題となる。2018年5月に1stアルバム「overnight」、2019年12月に2ndアルバム「too close to know」、2021年10月 に3rdアルバム「seek」をリリース。独自の詩世界と歌唱、JazzやR&Bをべースに様々な 音楽を取り込んで表現する唯一無二のポップネスで独自の立ち位置を確立する。
The Hatch
2013年、札幌で現体制にて活動開始。
ラテン・アフロ・現代ジャズやベースミュージックを取り入れた多彩なリズムを過度に転廻させる脱構築的なアンサンブルを特徴とし、耳の早いリスナーから注目を集める。
2018年9月にGEZAN主催レーベル、十三月より1stアルバム”Opaque Age”をリリース。 2022年4月にUNDER COVER RECORDSより12inch
“Venom/Olvido”をリリース。 2022年9月に十三月より2ndアルバム”shape of raw to come”をリリース。
フロントマンである山田碧はGEZANのサポートやDJとしての活動、またCMに楽曲の提供など多彩な才能でシーンで異彩を放つ。
音楽的な精度の高さと野生的な衝動をあわせもったライブは国内外を問わずバンド、クラブシーンからリスペクトを集める。
混沌の時代を切り裂く最先鋭のオルタナティブ・ダンスバンド。
https://linkco.re/0cCBNS0M?lang=ja
東郷清丸卜
音楽家。1stアルバム「2兆円」は、新人ミュージシャンのための音楽賞「APPLE VINEGAR -Music Award
-」にノミネート、続く2ndアルバム「Q曲」では同アワードの審査員特別賞を受賞。楽曲提供やテレビ・ラジオ・CM音楽の制作、ナレーション、舞台や映像への出演など、多岐にわたるフィールドで活動している。
衣食住を自分の手に引き寄せるためのものづくりがライフワーク。家族のための食パンを焼き、自分で着る服を作り、写真を撮って文章を書き本にまとめる。子育てZINE「丸と円」や、実際の制作日誌を書籍化した「日誌I」「日誌II」は、個人書店やライブ物販のみの取扱いながら発行部数は累計600部を超える。また不定期に刊行されるハガキ状のフリーペーパー「かいほう」は2023年現在、350人ほどの購読者がいる。